北海道考古学会だより 70号

     
  北海道考古学会だより第70号   2001.7.1  
  事業報告     2001年度総会および研究大会報告……………………………………………………………1
議   案     2000年度事業報告…………………………………………………………2
           
事務連絡     運営委員会の構成について ……………………………………………………………………5
           北海道考古学会研究会のお知らせ  …………………………………………………………6
           編集委員会からのお知らせ ……………………………………………………………………6
           ホームページ開設のお知らせ……………………………………………………………………6
           運営委員会の開催時間の変更について ………………………………………………………6
           
           
紹   介     退会者からのお手紙  …………………………………………………………………………7
 
 

 

2001年度総会および研究大会報告
 

 5月12日(土)午前10時30分より、北海道開拓記念館講堂において、2001年度第39回定期総会・研究大会が開催された。総会は、運営委員の各担当より2000年度会務報告と監査委員の報告がおこなわれ、引き続き2001年度活動計画・予算案、委員の改選について提案された後、一括して議案の採決が行われた。しかし、当日の出席者31名、委任状83名、合計114名で、会員総数420名の3分の1に至らなかった。そのため、委員長以下委員の協議のうえ、総会の審議事項であった2000年度決算、2001年度予算および監査委員を含む委員の改選について「北海道考古学会だより」第70号をもって会員に周知し、その承認を求めることを提案し、承認された。
 研究大会は、午後1時より「北方文化交流を探る-ひと・もの・気候・植物から-」と題して開催された。最初に国立科学博物館の松村博文氏に「渡来系弥生人の拡散と続縄文時代人」と題してご講演をいただいた。その後、休憩を挟んで東京大学の熊木俊朗氏が「最近の調査結果にみる北方文化交流の実態」として最近のアムール河河口部での踏査結果についてスライドで報告があった。北海道開拓記念館右代啓視氏は「北方諸地域における温暖期の存在とその意義」で気候変動に関する研究成果から北方地域の文化の移動や画期と気候変動との関連を指摘した。北海道開拓記念館の山田悟郎氏は「大陸から伝播してきた栽培植物」として遺跡から発見される植物の種子の研究からソバ、アサ、ゴボウ、オオムギといった植物の渡来時期や経路、近年報告例が増えている近世の畠跡について報告があった。
 会場は8割方埋まり、学生の姿も少なからず見られた。休憩時間には、7月中に開設予定の北海道考古学会ホームページのデモンストレーションが行われ、多くの参加者の関心を引き付けていた。
 研究大会にご協力いただいた講師の諸先生のほか、会場を提供していただいた北海道開拓記念館に深く感謝いたします。なお、研究大会資料集には若干の残部がありますので、希望する方は事務局までご連絡ください。

 
 

 

2001年度総会議案
 

 すでに述べたとおり、2001年度総会は参加者少数であったため、遺憾ながらだよりをもって議案を会員に周知し、承認を求めます。運営委員会として、今後このような事態が生じないよう努力いたしますが、会員の皆様にも会の運営に積極的な参加をお願いいたします。

 
 

 

議案1-(1)2000年度事業報告
 

 1 第38回総会・研究大会
    期  日 2000年5月13・14日
    会  場 札幌学院大学B館101教室
    総会内容 1999年度会務報告、2000年会務計画、監査委員の選任
    研究大会 テーマ『北海道旧石器考古学の諸問題』
 2 委員会
   第1回6月3日会務報告(財政状況、だよりなど)
   第2回7月1日会務報告(財政報告、遺跡見学会についてなど)
   第3回9月2日会務報告(財政状況、遺跡見学会実施状況など)
   第4回10月7日会務報告(財政状況など)
   第5回11月4日会務報告(財政状況、だよりなど)
   第6回12月2日会務報告(藤村問題について)
   第7回2月3日会務報告(財政状況、藤村問題など)
   第8回3月3日会務報告(財政状況、藤村問題など)
   第9回4月7日会務報告(総会、研究大会打ち合わせなど)
 3 研究会
   第1回6月3日17時於札幌学院大学
     「マレクとアイヌ社会」 北海道教育庁 西脇対名夫会員
   第2回10月14日17時札幌学院大学
     「剥離方法の同定研究-フラクチャ-ウイングに用いた研究の枠組み」
                                 北海道大学 高倉純会員
     「北海道上川郡下川町ルベの沢における採取資料」 
                         札幌市埋蔵文化財センター 出穂雅美会員
   第3回11月4日17時札幌学院大学
     「押圧剥離技術:技術と方法その考案と伝播」
     フランス国立科学研究所研究指導部長 マリー・ルイーズ・イニザン博士(通訳 京都大学 山中一郎教授)
   第4回1月20日16時 北海道立埋蔵文化財センター
     「旧石器時代の打製骨器」東京都立大学 小野昭教授
 4 遺跡見学会
   平成12年8月26日参加者75名
   見学遺跡:恵庭市カリンバ1、3遺跡、西島松5遺跡、千歳市史跡ウサクマイ遺跡群、ウサクマイN遺跡、鵡川町宮戸3遺跡、平取町沙流川歴史館、アイヌ文化博物館、ユオイチャシ 
 5 遺跡報告会
   平成12年12月16日北海道大学学術交流会館2階講堂
 6 だより
   66号7月28日発行、第67号10月23日発行、第68号1月24日発行(68号については「旧石器発掘ねつ造問題」に関する声明)、第69号3月16日発行
 7 会誌
   『北海道考古学』第37輯の発行
 8 北海道考古学会ホームページ開設準備作業

 
 

 

議案2-(1)委員の改選
  

会則第6条に基づき、下記の会員を本会の2001年度、2002年度の地域委員、運営委員、会誌編集委員、及び監査委員候補者として提案いたします。
  地域委員
    第3地区後志 乾芳弘会員、第4地区渡島檜山 森広樹会員、第5地区胆振日高 青野友哉会員、
   第6地区空知上川留萌宗谷 氏江敏文会員、第7地区北見網走 太田敏量会員、第8地区十勝
   釧路根室 松田猛会員、第9地区東北地方 福田友之会員、第10地区本州地区 石川久明会員
  運営委員
1.出穂雅美会員、2.田村俊之会員、3.高倉純会員 4.遠藤龍畝会員、5.村田大会員、6.倉橋直孝
 会員 7.兼平一志会員 8.藤原秀樹会員 9.愛場和人会員 10.工藤義衛会員 11.鶴丸俊明会員、12.畑宏
 明会員 13.小杉康会員 14.深澤百合子会員 15.長崎潤一会員
  会誌編集委員
     1.林謙作会員 2. 羽賀憲二会員 3.田口尚会員 4.越田賢一郎会員 5.小杉康会員 6.中田裕香会員
  監査委員 
1.高橋正勝会員 2.石川直章会員

 
 

 

議案3-(1)2001年度事業計画案
 

 1 2001年度総会・研究大会
   2001年5月12日(土)北海道開拓記念館講堂
   研究大会テーマ「北方文化交流を探る」
 2 運営委員会の開催
   場所 札幌学院大学/開催日:毎月第一土曜日午前10時(但し研究会開催日は午後1時から)
 3 研究会の開催
   場所 札幌学院大学/開催日:原則として運営委員会開催日
 4 遺跡見学会の開催
   7月開催予定。見学地/伊達市方面(詳細は検討中)
 5 発掘報告会の開催
   12月開催予定。場所/北海道大学学術交流会館(予定)
 6 だよりの発行
   第70号(7月)、第71号(10月)、第72号(1月)、第73号(3月)
 7 会誌「北海道考古学」の発行
   4月 第38輯の発行。500部
 8 北海道考古学会ホームページの開設
   7月 札幌学院大学内のサーバーに開設

 
 

 

運営委員会の構成について
 

 6月9日に開催された運営委員会で、委員の分担が決まりましたのでお知らせします。
   委員長     :鶴丸俊明
   副委員長     :遠藤龍畝
   総務担当     :畑宏明
   会計担当     :田村俊之
   研究会担当:深澤百合子、倉橋直孝、愛場和人、兼平一志
   見学会・報告会担当:長崎潤一、藤原秀樹、村田大
   会誌担当     :小杉康、高倉純
   だより担当:出穂雅美、工藤義衛

 
 

 

北海道考古学会定例研究会のお知らせ
    

 7月7日(土)午後3時~ 札幌学院大学A館4階会議室
       「船泊遺跡について」                千歳市教育委員会 乾哲也氏
 10月6日(土)午後3時~ 札幌学院大学A館4階会議室
   「テーマ未定」                     北海道大学 小野裕子氏
      なお、発表者を募集しております。発表を希望する会員の方は事務局または、研究会担当委員にお問い合わせください。

 
 

 

会誌編集委員会からのお知らせ

編集委員会事務局について
  この度の委員交代で新たな編集委員のラインナップがでそろいました。編集委員会内の各係分担は本誌上にて、おってご連絡いたします。事務局は二号委員の所属する機関におきますので、引き続き北大です。
 (連絡先)
  〒060-0810
  北海道札幌市北区北10条西7丁目 北海道大学 埋蔵文化財調査室

 
 

 

『北海道考古学』第38輯の原稿募集について


  第38輯の原稿を募集いたします。第36輯・第37輯と二輯わたり特集が続きました。第38輯は一般の投稿論文だけで本冊が組めることを切に希望しております。原稿の締切は2002年1月末日を予定しております。年末・年度末になりますといろいろと予定がつまってくることかと危惧されます。現段階からご執筆の心積もりをしていただけばと、願っております。特に若手の会員の皆様には発憤していただきたく思います。他の地方学会誌を見ましても、若手の活躍がその地域の考古学研究を活性化している大きな要因のひとつとなっているようです。
  北海道発の新しい研究の波を本会誌から発信いたしたく、会員の皆様、「あなた」からの投稿論文を お待ちしております。
  投稿規定は例年どおりです。詳しくは『北海道考古学会だより』第58号(1997.11.15刊)をご覧ください。

 
 

 

北海道考古学会ホームページ開設のお知らせ


 かねてより準備を進めていた北海道考古学会のホームページが7月中に開設されます。ホームページのURLは、http://jinbunweb.sgu.ac.jp/~archaeo/index.htmです。会の概要のほか、事業案内、会誌「北海道考古学」目次などを掲載します。今後も内容の充実を図ってゆきますので、ご意見、ご感想をお寄せください。

 
 

 

運営委員会の開催時間の変更について


 運営委員会は、これまで毎月第一土曜日午後3時から札幌学院大学A館4階会議室で開催してきましたが、今年度から通常は午前10時、研究会が開催される日は午後1時といたします。時間が変更されることもありますので、傍聴を希望される方は、事務局にご確認ください。

 
 

 

紹 介
 

 旭川市の今井勝人会員から、下記の書簡が事務局に寄せられましたので、紹介させていただきます。今井会員におかれましては、今後も北海道考古学会の活動を見守っていただければ幸いです。長い間ありがとうございました。

 
 

 

退会にあたって


 謹啓早春の候貴会ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 さて、私事で恐縮ですが、小生平成6年3月に高校教員を退職し、同年4月より旭川市社会福祉協議会に嘱託として奉職し、次いで同7年4月より旭川市総務部市史編纂課に嘱託として勤務いたしておりましたが、この3月で退職することとなりました。
 つきましては、この機会に長い間お世話になりました貴会を退会いたしたいと存じますので何卒宜しくお取り計らいのほどお願い申し上げます。
 思い起こせば、昭和30年代に貴会に入会し、爾来、旭川龍谷高校で尾崎覚賢先生(旭川北高校長退職の後、市博物館館長、龍谷校長歴任)のお勧めにより郷土研究部を創設、以後赴任地の上士幌高校、富良野高校、東川高校でそれぞれ郷土研究部を作って参りました。 
 龍谷高校時代には神居古譚の擦文期の竪穴住居の発掘や、雄武の住居址発掘に参加させていただきました。上士幌高校時代には十勝三叉の十三の沢の黒曜石原石と林道に敷き詰められたような黒曜石のフレークまたは未完成と思われる石器などの存在を確認し、町教委に報告し、しかるべき機関を通して調査することの最重要なることを訴えました。このことなども忘れられない思い出です。
 富良野高校時代には昭和48年に松前町江良の「高野遺跡」緊急発掘調査に参加させていただきました。この時、峰山巌先生、久保泰先生、畑宏明先生等にお会いできたことが私にとっての最大の人生の収穫でした。また、富良野市鳥沼遺跡発掘が縁で富良野市役所にはいり活躍されている杉浦重信先生とも知り合うことができました。
 東川高校では、部員とともに白雲岳に登り、遺跡確認をしたことも忘れることができません。北海道高文連郷土研究部発表退会に参加し、考古学に関するテーマではありませんでしたが、生徒に堂々と発表させたことも思い出です。
 北海道考古学会の会員に加えていただきながら、浅学非才、且つ愚鈍怠惰にして、何ひとつ深めることもできず、ただただ年月を重ねて参りましたことを深くお詫びいたします。今後は、貴会の発展を心に念じつつ考古学に関する関心だけは持ち続けていきたいと思っております。長い間本当に有難うございました。会員の皆々様にくれぐれも宜しくご伝声下さい。

 
 
敬具
旭川市 今井勝人
 
 

 

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14輯・16輯:各2,000円 15輯:2,500円 22輯・24輯:各3,800円 26~30輯:各4,000円

17輯:2,800円 32輯・33輯:各4,000円 20・23・25輯:各3,500円 35輯・36輯:4,500円

21輯:3,000円(18・19・31・34輯は売り切れです)

 
 

 

北海道考古学会だより  第70号  2001年7月1日 発行
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