北海道考古学会だより 78号

北海道考古学会だより  第78号

2004.2.27

特集『森町鷲ノ木5遺跡の保存問題について』

 

 
 森町鷲ノ木5遺跡では、昨年の発掘調査により良好なストーンサークルと竪穴墓地が発見され、高い学問的な価値も認められたことから、国の史跡指定も視野に入れた保存と活用が期待されていました。しかし、現在、鷲ノ木5遺跡をとりまく環境は、非常に厳しいものがあります。

北海道考古学会では、危機感をもって、保存の方途を探るべく取り組んでおります。今回のだよりにおいて、遺跡の価値と保存問題の現状、そして、運営委員会の保存に向けた取り組みについてお知らせするとともに、会員のみなさまのご理解と積極的なご支援をお願いいたします。

    

1.鷲ノ木5遺跡保存問題の経緯

                                  大谷敏三(総務・保存問題担当委員) 
1)鷲ノ木5遺跡
 鷲ノ木5遺跡は我々の前に突然現れた。少なくとも私にはそんな印象である。鷲ノ木5遺跡を知ったのは昨年の11月のことである。22日から23日にかけて北海道新聞、読売新聞、毎日新聞などが「道内最大の環状列石」と一斉に報道する。12月11日、北海道新聞夕刊の文化欄に、北海道大学の小杉康が鷲ノ木5遺跡の環状列石や、周堤墓の成因に係わると思われる竪穴墓地などを詳細に紹介し、「人類史探求へ保存を」訴えている。
12月13日 北海道考古学会遺跡報告会で、調査を担当した森町の荻野幸男が「鷲ノ木5遺跡」の概要を報告している。この報告は、一昨年、石垣状配石遺構が発見された鷲ノ木4遺跡と並んで、鷲ノ木5遺跡もただならぬ遺跡であることを伺わせるに十分なものであった。
遺跡の検証や、保存の可能性を探るといったプロセスを抜きにこの遺跡が消え去るのは忍びがたいという声が参加者から相次いだのも無理からぬことであった。
2)鷲ノ木5遺跡保護対策特別委員会
 こうした声を反映し、平成16年1月9日、北海道大学文学部300会議室で北海道考古学会運営委員、日本考古学協会委員高橋正勝、同埋蔵文化財保護対策委員会委員杉浦重信、鷲ノ木5遺跡を実見している野村崇、小杉康が参加し、鷲ノ木5遺跡について話し合いがもたれた。
北海道教育庁の職員から鷲ノ木5遺跡の現況と経過について説明をうけた。
 その後、鷲ノ木5遺跡の学術的な位置付けについて協議した。
 鷲ノ木5遺跡は、周堤墓の先行形態と考えられる竪穴墓地が隣接する非墓地系の北海道独特の環状列石で、沢をはさんだ対岸の鷲ノ木4遺跡では鷲ノ木5遺跡と同時代のフラスコ状の墓が点在している。集落、墓域が一体となっており、遺跡群としては広がりを見せ、鷲ノ木5遺跡はその中核をなす遺跡である。こうした遺跡は北海道はもとより東北にも例がないものである。
 こうしたことから鷲ノ木5遺跡は保存すべき遺跡であるとの認識にいたり、運営委員会は北海道考古学会として鷲ノ木5遺跡の保存対策に対応するため、北海道考古学会会則第9条に基づき特別委員会を設置することを決めた。
委員として小杉康、野村崇、杉浦重信、大谷敏三、臼杵勲を、また、委員長に小杉康を選出した。
3) 事情聴取
 遺跡の学術的検証とともに、調査を担当している森町教育委員会、文化財行政を担う北海道教育庁に事情を聴取する必要があった。
a.森町教育委員会
1月16日、加藤邦雄委員長、小杉康特別委員会委員長、大谷敏三委員が森町教育委員会に出向き、鷲ノ木5遺跡と保存に関する考え方を伺った。
伊藤忠義教育長は
   ・鷲ノ木5遺跡は立派なものと理解している
   ・道南と道央を結ぶ道路は国道5号線だけで(高速道路を)災害の際の避難路として位置付けており、駒ヶ岳が噴火し5号線、JR線が封鎖されれば住民は逃げ場を失う。開通時期が遅れるのは困る
   ・路線を振るのは難しい
   ・残したとしても整備に多額の費用と時間がかかる
など森町、森町教育委員会としての考え方を示した。 
  b.北海道教育庁
1月22日、加藤邦雄委員長、小杉康特別委員会委員長、野村崇委員、大谷敏三委員、臼杵勲委員が北海道教育庁に出向き、鷲ノ木5遺跡と保存に関する考え方を伺った。
   吉原裕文化課参事は
   ・現状で保存すべき遺跡と認識している
   ・地元の町の考え方、スタンスがある
   ・保存のための経費の負担方法
など解決すべき問題が多いとした。
その後、ホテルポールスターで特別委員会を開き鷲ノ木5遺跡と保存について話し合った。
 ・鷲ノ木5遺跡の学術的価値は高いとする事実認識は、森町、道教委、北海道考古学会とも共通する
 ・保存、保存方法に関し温度差があるが現状で保存すべき遺跡である
 ・現状保存を関係者に働きかける
などを確認する。
4)要望書の提出
 2月2日午前、加藤邦雄委員長は森町に出向き、森町伊藤忠義教育長に、森町、森町教育委員会に対する要望書(別紙)を手交し、鷲ノ木5遺跡の現状保存を求めた。
 午後、加藤邦雄委員長らは北海道教育庁を訪ね、北海道知事、北海道教育委員会教育長宛の要望書を北海道教育庁生涯学習部大山雄二生涯学習推進局長らに手交した。
大山生涯学習推進局長は「鷲ノ木5遺跡は学術的に貴重で、文化庁も史跡級の遺跡として評価している。現状保存は厳しい状況だが、現状保存を図るべく公団、森町など関係機関と協議している。文化財保護は現状保存が基本で、これからも努力していきたい」と述べている。また 河合隼雄文化庁長官、日本道路公団鷲崎勝北海道支社長に対する要望書は別途提出した。
5)今後の活動
その後、KKR札幌で特別委員会を開き、今後の行動について
 ・一般の認知度が低い
 ・周知化するため署名活動
研究会、総会、地域委員が各地域拠点で
・講演会・ポスターセッション
  一般の人を対象にした講演会を3月13日(土)に開催する
・遺跡見学会で鷲ノ木5遺跡を
・だよりに経過説明
などを進めることにした(敬称略)。

 

2.文化資源としてのストーンサークル


小杉康(保護対策特別委員会委員長)

1)北海道のストーンサークル
 ストーンサークル-なんとも魅力的な響きをもった言葉である。北海道の考古学は、日本におけるストーンサークルの研究の歴史と深く関わってきた。『人類学会雑誌』の前身である『人類学会報告』第2号に渡瀬荘三郎が忍路ストーンサークルを報告したのは明治19(1886)年のことである。戦後、1940年代から50年代にかけて駒井和愛らによって道内各地のストーンサークルの調査が進められ、1959年にはその成果が研究報告書『音江』にまとめられ、北海道のストーンサークルの多くのものが墓地であることが解明された。その当時、ストーンサークルとは直径数メートルの小形のものから、数十メートルの大形のものまで同じ名称で呼ばれたが、現在では小形のものを個別の「墓」である「環状(あるいは円形)配石墓」と呼び、大形のストーンサークルとは区別する傾向にある。
また、その後の研究の進展によって、大形のストーンサークルには墓を伴う墓地系と伴わない非墓地系とがあることがわかった。墓地系のストーンサークルには個々の配石墓が環状に配置される大湯型と環状に列石をめぐらしてその内側に個々の墓を配置する西崎山型(3区)とがあり、北海道では後者の事例が発見されている。さて、昨年、渡島管内森町の鷲ノ木5遺跡で発見されたストーンサークル(写真1)は、これまで進められた発掘調査の知見によれば非墓地系のもの(環状囲繞列石)だと考えられる。これに最も類似したものは青森県青森市の小牧野遺跡のストーンサークルである。

 

(写真1)


2)鷲ノ木5遺跡ストーンサークル
 鷲ノ木5遺跡には主に縄文文化の後期と続縄文文化の遺物・遺構群が存在する。問題のストーンサークルは縄文後期の前葉に属する。外側に2列(外帯37×34m・内帯3.55×33m)(写真2)、中央に1列(中央帯4×2.5m)(写真3)の列石がめぐる構成である。

 

(写真2)
(写真3)

列石下の調査はまだ終わっていないが、配石の下部(地下)に土坑墓を設けるような大湯型ではなくて、列石を円環状にめぐらして囲繞した空間と外界とを区分する小牧野型であると思われる。周囲に単独で埋葬用の埋設土器などを伴うこともあるが、ストーンサークル全体は個別の墓の造営とは構造上関係のない非墓地系である。このストーンサークルは厚さ1mにもおよぶKo-d火山灰で覆われていて良好な遺存状態であったことも驚きであるが、それに隣接して「竪穴墓地」(写真4)の存在が確認されたことは、縄文文化研究にとって画期的な発見であった。調査所見では両者は時期的にも並存していたと捉えられている。竪穴墓地は皿状に浅く掘りくぼめた竪穴の内部に、数基の土坑墓(写真5)をもうけるもので、11.5×9mの規模を呈する。竪穴の掘り込みが浅いために、その排土は周囲に土盛りを造るほどの量ではないが、その構造は後期後葉に石狩低地帯を中心として盛行する周堤墓と強い共通性をもっている。周堤墓の成立過程については未解決の多くの問題を残しているので、その先行形態の可能性が高い竪穴墓地の発見は今後の研究に資するところが多大である。

 

(写真4)
(写真5)


 鷲ノ木5遺跡の周辺には昨年「石垣状配石遺構」(写真6)が発見された鷲ノ木4遺跡や集落と目される鷲ノ木3遺跡などの同時期の遺跡が群集している。また、石垣状配石遺構で画された丘陵斜面にはフラスコ状の貯蔵穴を転用した墓(写真7)が累々と広がっており、その最頂部には2基の配石墓も構築されていることが明らかになった。以上のようにこの一帯は、縄文後期前葉において鷲ノ木5ストーンサークルを中心として、複数種類の墓地や集落が結集した一大葬祭センターの様相を呈していたと推定される。さらに前述のようにストーンサークルなどの巨大構築物においても本州側との強い結び付きがうかがえるので、一地域の中核的な存在にとどまらず、ネット状に広域に広がった縄文社会の交通・交流の要衝の役割をはたしていた遺跡群であったと考えられる。

 

(写真6)
(写真7)


3)文化資源としてのストーンサークル
 現在、北海道と北東北3県とが連繋して「北の縄文文化回廊づくり」が推進されている。縄文文化回廊とはなんとも魅力的な言葉である。それは単に響きだけの問題ではなく、まさにネットワーク型の社会である縄文文化に相応しいネーミングである。そしてネットワークの最重要な結節点の一つに、この鷲ノ木5ストーンサークルを中心とする遺跡群が位置している。この文化資源を活用することなくして、本当の意味での地域の活性化などはありえないであろう。
ストーンサークルも高速道路などのインフラも共に未来に引き継ぐべき重要な遺産である。ただし、後者は現在の私たちが新たに造ることができるのに対して、前者は活用こそできるが失ったら二度と手に入れることのできない文化資源である。ストーンサークルは当時の人たちの意志で残されたモニュメントである。その文化資源を活用し、地球環境と地域文化の持続的な活性化の選択をできないほどに現在の私たちは、どこへ生き急いでいるのだろうか。保存・活用された文化資源としての遺跡こそは、私たちが未来へ贈るモニュメントなのである。

 

 

 

 

3.関係各方面への要望書

北 考 古 第 1 号
                       平成 16 年2月2日

  

文化庁長官   河合 隼雄 
北海道知事   高橋はるみ
北海道教育長  相馬 秋夫
森町長     湊 美喜夫  様
森町教育長   伊藤 忠義
日本道路公団北海道支社長
鷲崎  勝


                    北海道考古学会
                    委員長 加 藤 邦 雄

北海道鷲ノ木5遺跡の保存に関する要望について

 


 標記の件について、別添書類の如く、当該遺跡は学術上きわめて重要な内容をもつものでありますので、貴殿において、その保存の対策を速やかに講じられますよう要望いたします。
 なお、当件の具体的な措置、対策については2月18日(水)までにご回答下されるようお願いします。


    一、別添書類          一通                                       以 上

要 望 書

 


                        北 考 古 第1号
                        平成16年2月2日

  

文化庁長官     河合 隼雄
北海道知事     高橋はるみ
北海道教育長    相馬 秋夫 
森町長       湊 美喜夫  様
森町教育長     伊藤 忠義
日本道路公団北海道支社長
         鷲崎  勝


         
                  北海道考古学会
                  委員長 加 藤 邦 雄



北海道鷲ノ木5遺跡の保存について


 北海道縦貫自動車道(国縫~七飯間)建設工事にともない、森町に所在します鷲ノ木5遺跡の破壊が懸念されます。
鷲ノ木5遺跡は、縄文時代後期前葉の4千年前の周堤墓の先行形態と考えられる竪穴墓が隣接する非墓地系の北海道独特の環状列石であります。周辺には集落、墓域が一体となっており、遺跡群としては広がりをみせ、鷲ノ木5遺跡はその中核をなす遺跡であります。このような環状列石は、東北北部から北海道にかけてみられる記念物で、後期末に盛行する周堤墓の成因に大きな役割を果したことが知られます。こうした大規模な記念物は、これまでの縄文文化のイメ-ジを一新させ、当時の社会組織の復原に欠かすことのできない学術的にもきわめて重要な遺跡であります。噴火湾沿岸の遺跡は北海道遺産になっておりますが、鷲ノ木5遺跡はその核となる遺跡であります。
北海道考古学会は、鷲ノ木5遺跡は保存、活用されるべきものと考え、次のことを要望いたします。



1.北海道自動車道の計画を変更し、鷲の木5遺跡の保存に万全を期すこと。
2.史跡指定し、保存、活用すること。

         

 

 

4.今後の保存運動について
鷲ノ木5遺跡の保存に向けて、講演会、署名活動、募金活動を予定しています。またこれ以外の取組みについても検討中です。ご意見・ご要望などお寄せください。
1)公開講演会『未来につなぐ文化遺産-鷲ノ木5遺跡ストーンサークルの現状保存の可能性を探る-』
○目的
森町・鷲ノ木5遺跡の内容を広く一般の方々に紹介し、その保存・活用の意義について情報と意見を交換し語り合う。
○開催日程
日時:平成16年3月13日 午前11時開始
会場:札幌市教育文化会館研修室301号室(札幌市中央区北1条西13丁目)
第1部 事例報告会
11:00~11:30 藤田 登氏 『鷲ノ木5遺跡とはどんな遺跡か』
11:30~12:00 小林 克氏 『伊勢堂岱遺跡とその保存』
12:00~12:30 児玉大成氏 『小牧野遺跡とその保存・活用』

第2部 公開講演会
13:30~14:50小林 達雄氏(國學院大學教授)
「縄文時代における記念物モニュメント」
第3部 情報・意見交換会 15:00~16:00
○司会・進行
    大谷敏三・小杉康
○その他
    ①ロビー等での遺跡保存に関する署名活動
    ②鷲ノ木5遺跡紹介のパネル展示
    ③鷲ノ木5遺跡のCGによる紹介
2)署名活動
鷲ノ木5遺跡の保存問題についての署名活動を行います。署名用紙を同封いたしますので、会員の皆様はもちろん、職場やご近所などお近くでの署名活動をお願いいたします。
また、お手数ではございますが、北海道考古学会事務局(〒060-0810札幌市北区北10条西7丁目北海道大学大学院文学研究科加藤研究室)まで郵送にてお送りくださいますようお願いいたします。
3)募金活動
保存活動にはさまざまなコストがかかります。会費だけでは難しいこともありますので、ご協力をお願いいたします。

 

北海道考古学会40周年記念研究大会
「遺跡とともに -研究と活用-」
●開催主旨
 北海道は旧石器時代から続く歴史の宝庫でもあります。各地に残された様々な時代の遺跡が調査研究され、ここに育まれた歴史・文化が明らかにされています。北海道考古学会創立40周年にあたり、発掘調査や史跡整備など、これまでの遺跡の研究・活用の様子をご紹介いたします。そして、遺跡をどのように生活の中に活かし、未来に護り伝えていくのかを考えてみたいと思います。北海道の遺跡のすばらしさ・面白さに触れていただければ幸いです。
●開催日程
日 時: 平成16年4月24日(土) 9:30~17:25
場 所: 北海道大学学術交流会館

●内 容
1.記念講演
浅川滋男(鳥取環境大学教授) 「遺跡の復原」(12:50~14:05)
2.事例報告「調査研究と保存活用」各45分(含質疑応答)
午前(9:40~11:50)
①「道内重要遺跡」:北海道教育庁文化課・北海道埋蔵文化財センター
②「ピリカ遺跡」:寺崎康史(今金町教育委員会)
③「北黄金貝塚」:大島直行(伊達市教育委員会)
午後(14:10~16:30)
④「オムサロ遺跡」:佐藤和利(紋別市教育委員会) 
⑤「勝山館・夷王山墳墓群」:松崎水穂(上ノ国町教育委員会:打診済み)
⑥「都市部の遺跡」:上野秀一(札幌市埋蔵文化財センター)
討 論「遺跡のこれからを考える」:16:40~17:25

司会 大谷敏三
※ 閉会後、別会場にて北海道考古学会40周年記念祝賀会を開催いたします。

南茅部町埋蔵文化財事務所の火災に対する支援募金について
 一昨年12月の南茅部町文化財事務所の火災に対し、北海道考古学会では会員各位に募金をお願いしておりましたが、平成16年1月16日(金)加藤邦雄委員長、大谷敏三委員が南茅部町教育委員会を訪ね、石坂啓一教育長に南茅部町埋蔵文化財調査団への南茅部町文化財調査事務所の火災に対する支援として募金223,000円に北海道考古学会からの拠出金77,000円を加えた300,000円を手渡しました。
 なお、支援金の内訳は下表のとおりです。
火災被災募金内訳(省略)

 

日 付

項          目

収  入

累 計 額

備   考

4/26

総会会場募金

32,000

32,000

 

12/13

遺跡調査報告会募金

13,000

45,000

 

 

口座振込み

178000

223,000

 

 

北海道考古学会拠出金

77,000

300,000

 

 

 

 

 

 

 

合計

300,000

300,000

 

支援募金に対する礼状
上記の支援募金について、南茅部町文化財調査団石坂新一団長から1月21日付けで、下記の礼状を頂きました。


拝啓 寒さ厳しき折、皆様にはますます御清祥のこととお喜び申し上げます。
 平素より、当調査団に対しまして特段の御指導御支援を賜り誠に有難うございます。また、一昨年暮れの火災につきましては、本当にご心配をおかけいたしました。世界最古の漆製品や、子どもの足形が付いた土製品など、貴重な資料を被災させてしまい、文化財の損失を招きました。今更ながら自責の念でいっぱいでございます。あれから一年が過ぎましたが、被災遺物の整理作業や当調査団の新事務所建設計画もお陰様で順調に進んでおります。
 さて、この度は当調査団の火災に対する支援のために寄付金をいただき誠に有難うございました。
 皆さんからお寄せいただいた暖かい御支援に、心から感謝申し上げます。
 貴重な寄付金は、皆様の意を体し、埋蔵文化財保護業務推進のために幅広く活用させていただきます。
心から深く感謝申し上げますと共に、皆様のますますの御活躍をお祈りし、お礼とさせていただきます。


                                        敬 具
平成16年1月21日
              

              南茅部町埋蔵文化財調査団
            団長 石 坂 新 一

加 藤 邦 雄 様

 

 会員の異動のお知らせ(省略)

 

 

 

 

 

 

 

 

                                               

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