北海道考古学会だより 59号


目次 

 案内    1998年度北海道考古学会総会のご案内
       1998年度北海道考古学会研究大会のご案内
 事業報告  1997年度北海道考古学会遺跡報告会実施報告
 情報紹介  「美利河1遺跡C地点」
       「砂原町二ツ山遺跡」 
 保護問題  保護問題懇話会例会の実施状況
 事務連絡  新入会員・住所変更会員のお知らせ
 研究会  北海道考古学会月例研究会の実施報告と発表者募集の案内
 展示    速報展,特別展の案内

1998年度北海道考古学会総会のご案内
 雪もとけ,だんだん暖かくなり、そろそろ年度始めの総会の開催が迫ってまいりました。今年は江別市教育委員会の多大な協力を得まして、江別市で開催することと決定しました。皆様奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。なお,総会は,委任状を含め3分の1以上の会員の出席をもって成立します。事情があり直接参加できない場合,もれなく委任状をご提出いただき、会の成立にご協力願えればと思います。


日時 1998年4月28日(火) 午前10時30分~(午前10時受付開始)

会場 江別市市民文化ホール(えぽあホール)

住所 〒069-0854 江別市大麻中町26番地 電話 011-387-3120


議題 1997年度事業報告,決算報告,監査報告


   1998年度事業計画,予算案 など

 

 

1998年度北海道考古学会研究大会のご案内
 同じく総会に併せて研究大会も開催いたします。今年は北海道式古墳という名称で全国的にも有名な「後藤遺跡」を中心に,下記のテーマで開催することと決定いたしました。皆様奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。なお大会1日目がシンポジウム,2日目がエクスカーションとなっております。

テーマ 『北海道式古墳の系譜 -擦文文化の墓制をめぐって-』


日時 1日目 シンポジウム   1998年4月28日(火)午後1時~午後5時


   2日目 エクスカーション  1998年4月29日(水)午前9時~正午12時


会場 江別市市民文化ホール(えぽあホール)


資料代 1,000円 (当日申し受けます)


エクスカーション  江別市市民文化ホール→開拓記念館テーマ展→江別古墳


   予定経路  群→江別市郷土資料館→江別市市民文化ホール→解散


    ※都合により経路を変更する場合があります。ご了承下さい。

 エクスカーションへの参加は,申込制となっております。参加ご希望の方は,FAX,ハガキなどで下記の申込先にお申し込み下さい。バスの座席数が決まっており,先着順で締め切りとなりますのでお早めにご連絡下さい。なお受付締切日は4月23日です。
 エクスカーション申込先
〒064-0926
  札幌市中央区南26条西11丁目
    (財)北海道埋蔵文化財センター 田口 尚
      FAX 011-561-0458
  ※研究大会会場で,資料集や報告書などの販売を考えておられる方は,会場スペース
  の問題もありますので,あらかじめ事務局まで,ご連絡下さい。
    事務局 江別市市民会館 
        〒067-8674 江別市高砂町6 
         TEL 011-383-6446 FAX 011-381-1077 (田口・手塚)

 

1997年度遺跡報告会実施報告
 1997年12月13日(土)午前10:00より、かでる2・7において、「1997年度遺跡調査報告会」を実施いたしました。今年も昨年同様、各地区の概況と話題となった遺跡を報告する形で行い、概況報告が5本、遺跡の報告が10本と盛りだくさんの内容でした。
 高橋正勝委員長の挨拶を皮切りに、昼休み,3時の休憩を挟みはしましたが,道央地区,道南地区,道東地区,道北地区と各地の報告が7時間近くにわたって続き,さながらマラソン報告会の様相を呈していました。会場には、早朝からたくさんの方々がおいでになり、午前中でほとんどの座席が埋まってしまうほどの賑わいで,各地の今年度の成果に耳を傾けていました。資料集も午前中でほとんど完売してしまい,会員の方々以外にも興味のある方がたくさん会場を訪れていたように思います。
 今年は運営委員が代わってはじめての報告会だったため、いろいろと不慣れな部分があり、特にスライドの順番を間違ったり、焦点を合わせるのに手間取ったりするなど、発表者と会場にお越しの方々にたくさんのご迷惑をおかけしました。この場をかりてお詫び申し上げます。また年末のお忙しい最中に、快くご発表をお引き受けいただいた発表者の方々に厚く御礼を申し上げます。
(秋山)

- 情 報 紹 介 -
先号で「北海道考古学会情報用紙」をお配りしたところ,たくさんの情報が寄せられました。今回は,その中から2件の情報についてご紹介いたします。なお,今回の情報紹介にあたっては,寺崎氏,千代氏から,掲載の許可と文面の補追に関して,心配りを頂きました。記して感謝いたします。
 また,だより編集部では年中無休でみなさまからの情報をお待ちしております。今後ともよろしくお願いいたします。                           (秋山)

  「美利河1遺跡C地点」         寺崎康史氏からの情報
 1991年発掘調査を行い、石刃約500本が3つの石器ブロックから集中して発見された。1998年度中に報告書を刊行予定。C地点は,1983・84年に(財)北海道埋蔵文化財センターが発掘調査を行ったA・B地点より,更に高位な段丘面に位置する。1996年からは國学院大学が近接するK地点を発掘継続中である。

  「砂原町二ツ山遺跡」        千代 肇氏からの情報
 砂原町二ツ山貝塚は昭和38年4月に発見されていたが,所在地・状況が明らかではなかった。もともと砂原町一帯は,駒ヶ岳火山噴出物によって厚く覆われており,遺跡の発見は困難な地域である。去年から砂原町史先史の原稿執筆のため,遺跡の確認調査を行っていたが,その際,海岸保全地で段丘が波で浸食された崖の部分から住居跡と遺物包含層が発見された。遺物をみる限り,縄文時代中期末から後期の初めと縄文晩期、続縄文前期の時期の遺跡と思われる。遺跡発見届けを近く提出。保存対策が必要。

保護問題懇話会の実施状況
                  懇話会世話人(鈴木信・西脇対名夫・秋山洋司)
 『だより』58号でご案内しました「保護問題懇話会」は,年度末までに2回の例会を行いました。その模様について簡単に紹介します。
 ●第1回例会  「西日高・東胆振地方小旅行」
   1997年12月8日,静内町郷土館出発,参加者3名(世話人2名含む)
   12月2日に国指定告示があった静内町シベチャリチャシ・ホイナシリチャシ(旧称入舟チャシ跡),門別町富仁家墳墓群(道指定史跡),鵡川町鵡川盛土墳墓群(道指定史跡)を見学。指定史跡の管理・活用状況を例に遺跡保護について考える。
 ●第2回例会  「勉強会」
   1997年12月8日,札幌市埋蔵文化財センター,参加者9名(世話人2名含む)
   講演「道内における埋蔵文化財保護の経験から」 (高橋正勝委員長),報告「可決なるかNPO法案」(西脇世話人)を聞き,意見交換。高橋委員長の講演は昭和30年代から現在に至る道内での埋蔵文化財保護行政の具体化の過程を3期に分けて説明したもの。保護体制確立の先頭に立ってきた経験が語られ,参加者に強い印象を与えた。西脇世話人は非営利民間団体に簡易な手続きで法人格を与える法案が審議中であることを報告(その後3月19日の衆院本会議で可決,「特定非営利活動促進法」として成立)。遺跡・遺物保護の分野にも影響する可能性に触れた。
 なお第1回の実施についてお世話いただいた静内町郷土館学芸員斉藤大朋会員,第2回の共催者としてご協力いただいた札幌市埋蔵文化財センターに厚くお礼申し上げます。
 以上の例会の記録は近日発行予定の「(仮称)保護問題懇話会連絡誌」に,第3回例会の案内等とともに収録する予定ですので,関心をお持ちの会員は世話人までご連絡下さい。
 世話人連絡先 
  〒064-0922 札幌市中央区南22条西13丁目 札幌市埋蔵文化財センター
  秋山洋司委員 TEL(011)512-5430 FAX(011)512-5467
 懇話会運営,遺跡・遺物保護一般についてのご意見もお待ちしております。1998年度も会員の皆様のご参加をお願いいたします。

新入会員・住所変更会員のお知らせ(略)
 
北海道考古学会月例研究会の実施報告と発表者募集の案内
 11月29日北海道大学高等教育開発研究部2階会議室において、(財)北海道埋蔵文化財センター、花岡正光氏より「北海道におけるテフロクロノロジー(火山灰編年学)」をご発表いただきました。今回は,「北海道の自然科学的研究についての懇話会」との共催によるもので,これまでの研究会とは趣が違って,自然科学の分野を専門とする方々も多数みられ,活発な意見交換が成されました。
 また北海道考古学会月例研究会では、発表者を募集しております。発表ご希望の方ございましたら、研究会担当委員もしくは事務局までお気軽に声をかけてください。
      (手塚・田口)

速報展,特別展の案内
(財)北海道埋蔵文化財センター発掘速報展

 毎年恒例となっておりますが,平成10年4月11日から5月10日まで,北海道開拓記念館において第120回テーマ展『掘り出された北の歴史-’97(財)北海道埋蔵文化財センターの発掘から-』が開催されます。千歳,恵庭周辺の調査が多かったので,そのあたりを中心とした展示構成になるようです。研究大会のエクスカーションのコースにもなる予定ですので,研究大会とあわせてご覧いただければと思います。
札幌市埋蔵文化財センター発掘速報展
 札幌市では,常設展示室の一角で平成10年4月11日から11月頃まで,『平成9年度札幌市内発掘速報展』が開催されます。今回は,平成8年度に出土した漆器椀や平成7年度に出土した鉄製品,木製品の保存処理が完了しましたので,それらを中心とした展示内容になっております。擦文時代の終末頃から中世アイヌ期頃までの時期に該当する遺構,遺物が紹介される予定ですので,札幌にお越しの際は是非ご覧下さい。     (秋山)

 

 

 
 
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